この住宅は、依頼されてから数年の歳月がかかっています。
建築条件付の土地であったため見積金額が思うようにならず、一度土地を白紙に戻して土地探しから出直したためです。
御夫婦は景色を気に入り、この土地に決めました。
外壁は特殊樹脂左官仕上げ、外部硝子はペア硝子という仕上げです。
とても素敵な家族が住んでいます。陽気な御主人と賢い奥様、明るい子供たち、そんな家族の家造りに参加できたことは幸せでした。

           

居間です。居間は2階にあります。

景色を楽しみたいとの理由からです。

そのために開口部は要らない線を消して、すっきりとしたディテールとしています。

景色を見ながら巻きストーブの火を楽しむために、ストーブの位置に気をつかいました。
居間よりキッチン方向を見ています。

左手上の格子が付いているところはロフトスペースです。居間の暖気や空気が流れていくようになっています。

床は信州唐松の無垢板フローリング、壁は左官によるラフな仕上げとしています。

もちろん塗料はドイツ製の自然抽出塗料としています。
バルコニーの開口部です。

建具はオリジナルの製作木製建具で、全て引き込めるように工夫してあります。

ここにもいらない線を消すためのディテールを考えました。

網戸は付いていますが、これも見えないように工夫しています。
食堂のスペースです。

屋根に開けられたハイサイドライトから光を落とし、光で壁を洗うことを考えています。

奥に見える木製の建具は勝手口ドアです。

風がきれいに空間の中を駆け抜けるような開口部のレイアウトを取っています。
居間空間は、いかにシンプルにデザインするかを考えたディテールとしています。

お分かりになるかと思いますが、私のプランの中で、照明計画はかなり重要な要素となっています。はっきり言って器具は必要ではなく、光だけが欲しいのです。

そういう小さな積み重ねが空間を形作っています。
食堂上のハイサイドライトです。

わざと明るすぎることのない位置に壁を作って、その部分に光を落とすのです。

その結果光で壁を洗うという手法が最大の効果を持ち、美しい表情を我々にみせてくれます。

自然を巧みにデザインしていくことで空間の魅力は倍増します。
階段室です。

家の真ん中に位置していますが、自然光を取り入れる工夫をしています。

居間と和室から光を取り入れているのです。

明るい階段室は気持ちがよいし、安全ですからネ。
バルコニーからの眺めです。

全て引き込めるテラス戸によって、表情はこんなに違います。

出窓に見える木製の水平格子は、窓拭き用のメンテナンスデッキの役目を持たせています。

こういった手の込んだ仕事を大工職人や建具職人にやってもらうことが、建築家としてのひそかな楽しみでもあるんですよ。

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(有)君島弘章建築設計事務所
君島 弘章

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